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膝関節の衰えが、心身に与える影響は?

年齢と共に膝関節の機能が劣化し「痛くて歩行もままならない」という方がたくさんいらっしゃいます。歩行はごく当たり前の動作ですが、脚の筋肉はもちろん、上半身の神経も使われる日常の大切な全身運動です。それ故、膝の痛みで十分な歩行が叶わないと心身に様々な悪影響が生じてしまいます。

●膝関節の衰えで、心身が衰弱

膝関節の機能が劣化してくると、歩行の際に強い痛みを感じるようになります。痛みは体だけではなく脳に与える影響も強烈で、実際は関節にあまり痛みが生じていない時でも、脳にこびりついた痛みの記憶が反応し「常に膝が痛い!」と勘違いさせてしまいます。そのため外出が不安になり、家に引きこもりがちに。引きこもりになれば気分が沈み、鬱のような状態になってしまうケースが多いと聞きます。
また、歩行の制限は筋肉量の低下に直結しますから、身体機能が老化する大きな原因に。さらに、極端に動かないと脚がひどくむくんだ状態が続くので、見た目の劣化にもつながるでしょう。

 

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 ●充分な歩行がもたらす関節の保護、機能改善効果

一方、健康な関節を保ち充分に歩くことができれば、色々な場所に筋肉がつき体が丈夫になります。例えば、太ももの筋肉がつくとそれ自体が膝を保護する役目を果たしますし、臀部(お尻)の筋力がつけば体幹が安定して、膝にかかる負担が減ります。これらの部位の筋肉や関節を鍛えるために、膝の曲げ伸ばし動作を繰り返すと膝関節の軟骨の表面に適度な摩擦が加わり、軟骨が丈夫になることもあります。
また、歩く際の膝への負担は平坦な場所では体重の3倍。のぼり階段では体重の5倍。くだり階段では体重の7倍と言われているので、歩行による減量効果で体重が1kg減るごとに、関節への負担も3kg~7kg減ることになります。

このように歩くことは膝関節にとてもよい影響を与えます。健康な体をキープするために、膝関節の健康にも気をつけてくださいね!

 

執筆 寺尾 友宏/Tomohiro Terao
TC関節機能センター センター長

職務と平行して学んでいた京都大学院の医学研究科では、幹細胞研究に参加するなど、再生医療のような新治療の開拓に強い興味を抱く。
また、現場ではスポーツ整形外科医として医療に従事。杖道を行っていたこともあり、武道を始め、テニスやゴルフ、野球、サッカーなどの様々なプロアスリートを診療してきた実績を持つ。
このような背景から、ミクロ(細胞)とマクロ(動き)の総合的な回復を信条として治療にあたる中、特にPRP治療の症例は600例を超える。
http://www.joint-function.com/


資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科 スポーツ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
日本医師会 健康スポーツ医
日本医師会 産業医
日本体育協会 スポーツドクター


著書
『万能細胞医療—衝撃の未来医学』メタモル出版(2010年)
『「正しいクセ」を身につければ腰痛は治る!』洋泉社(2012年)

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